勝負師

Oとはよく勝負事で遊んだ。将棋・百人一首・トランプである。特にトランプではよく遊んだ。津軽地方に伝わる独特の遊びで、4人または5人で遊ぶのだが2対2対か2対3でチームを組み16枚の絵札を取り合い多く取った方が勝ちというゲームだが、これが駆け引きや読みあいがあり、ものすごく面白い遊びである。私の母親が無類の勝負好きで加えて強かったので、W辺を交えた4人でよく我が家に集まり遊んだものだ。Oは読みが深くあまり負けたという記憶がないが、パートナー次第ではどう転ぶか判らないのでつい真剣にならざるを得ない。よく時間の経つのを忘れるくらい夢中になったものだ。
将棋は1対1の勝負なので、2人の時はよく遊んだがOにはほとんど歯が立たなかった。Oは手堅くいわゆるポカをしないし、また一人で詰め将棋をして勉強していたこともあり、読みが深く勝負強かった。
百人一首はW辺の兄弟4人を交え、W辺の家でよく遊んだ。Oは百枚の歌をほとんどん覚えていて、上の句を少し読んだだけですぐに札を取ることが出来たので、勝負ではほとんどが勝ち組に入っていた。
しかし、W辺兄弟は勝負勘があり時々苦杯を喫することがあり、その時はむきになって再選を挑んだものだった。そのOにして不思議なことにこの札だけはほとんど取れなかった。
   小倉山 峰のもみじ葉 心あらば 今ひとたびの みゆきまたなむ
私もW辺兄弟達も札を並べている時には目配せをしながら狙っていて、たとえOが自分の前にそーッとおいても゛小倉…”と読むとすぐに取ってしまった。その都度Oの悔しがりようはなかった。
このように、OはW辺のようなギャンブラー観はなかったが、勝負では堅実で負けない戦いをしていた。そして、麻雀は面白そうだがやるとのめりこみそうなのでやらない、と宣言しとうとう手を出さなかった。
                                                             
                             2018・6・11

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by hkatsu59 | 2018-07-01 12:00 | 亡友想記 | Comments(0)  

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